職場の教養|予期せぬアナウンス
予期せぬアナウンス
私たちは感謝の思いをどれだけ言葉にできているでしょうか。
出張の多いA氏には、今でも忘れられない印象深いフライトがあります。
ある日、搭乗した飛行機が目的地に着陸後、通常とは異なるタイミングでパイロットからアナウンスが流れたため、A氏はイヤホンを外して耳を傾けました。
「お客様、本日で客室乗務員の○○が最後のフライトとなりました。長年にわたり、お客様に快適な旅を提供できるよう最善を尽くし、我が社に貢献してくれた○○に、機長としてお礼を言わせていただきます。ありがとうございました」
機内は乗客からの温かな拍手で包まれました。
A氏は心が温まり、このフライトを共にできたことが忘れられない思い出となったのです。
最後の仕事となった客室乗務員は、この一件で今までの仕事に誇りを感じ、他のスタッフとのつながりも強固になったのではないでしょうか。
こうした特別な場に限らず、日常の職場や家庭でも、感謝の気持ちを伝えるときは「ありがとう」と言葉にして伝えたいものです。今日の心がけ◆感謝を言葉で伝えましょう
職場の教養 2025年3月号
感想例①
仕事を長年続けてきた人が、最後の瞬間に感謝されるってすごく素敵だと思いました。
普通、飛行機のアナウンスって決まりきったものばかりだけど、こういう意外な形で感謝の言葉が伝えられると、その場にいた乗客も「いい瞬間に立ち会えたな」って感じると思います。
A氏がこのフライトを忘れられない思い出として残しているのも納得です。
でも、よく考えたらこういう場面って、飛行機に限らず職場や日常生活にもあるはずなんですよね。
職場で退職する人がいる場合も、「お世話になりました」くらいの形式的な挨拶で済ませがちだけど、本当はもっと「この人のおかげで助かったな」とか「楽しく仕事できたな」とか、そういう気持ちを伝えるのが大事だなって思いました。
自分もつい「ありがとう」を後回しにしちゃうことがあるので、こういう話を聞くと、もっと素直に言葉にしようって思えます。
感想例②
確かに感謝を伝えるって大事だし、この話も心温まるものではあるんですが、ちょっと引っかかる部分もありました。
まず、この客室乗務員の方は最後にちゃんと感謝してもらえたけど、世の中には頑張っても誰にも気づかれずに去っていく人もいるわけで……。
こういう特別なアナウンスがあるのはすごく素敵だけど、それがあるかどうかって、結局「運」とか「職種」によるところが大きいなと感じました。
あと、乗客の立場としては、突然こういうアナウンスが入ったら、「え、何の話?」ってなる人もいたかもしれません。
仕事終わりの時間で疲れてる人や、早く降りたくて急いでる人にとっては、そこまで感動的に受け取れない可能性もありますよね。
だからこそ、こういう「公の場で特別に称えられる人」だけじゃなくて、普段からもっと身近な人に感謝を伝える習慣を作るほうが大事なんじゃないかと思いました。
感想例③
私は目立つのが苦手なので、みんなの前で感謝されるって、ちょっと恥ずかしいなと思いました。
もちろん、この客室乗務員の方にとっては素敵な瞬間だったと思うのですが、もし自分がその立場だったら、正直ちょっと気まずいかも……。
みんなに注目されて、大勢の前で「ありがとうございました!」って言われるのって、なんだか落ち着かないし、むしろ静かに去りたいタイプなので、私はいたたまれなくなりそうです笑。
それに、感謝の言葉って「公の場で派手に言われること」が大事なんじゃなくて、「伝え方」や「タイミング」が合っているかどうかが大事なんじゃないかと思います。
派手な演出じゃなくても、ちょっとした一言や小さな気遣いが、一番記憶に残ることもありますよね。
感謝を伝えるときは、その人の性格や気持ちを考えた上で、相手にとって心地よい形で伝えるのが大切なんじゃないかなと思いました。