職場の教養｜福参り
福参り
二月の最初の午の日には、全国の稲荷神社や稲荷の祠（ほこら）で祭礼が行なわれます。
全国に約三万社あると言われる稲荷神社の総本宮（そうほんぐう）は、京都の伏見稲荷大社（ふしみいなりたいしゃ）です。
この祭礼は古くから「福参り」「初午（はつうま）参り」とも呼ばれ、平安時代の『枕草子』にも登場します。
当日は商売繁盛や家内安全を願う人々で賑わいます。
稲荷大神（いなりおおかみ）が初めて稲荷山（いなりやま）に鎮座されたのは、七一一年二月の最初の午の日でした。
二〇一一年には、御鎮座（ごちんざ）一三〇〇年を迎えました。
「稲荷」という名前は「イネナリ」に由来し、元々は農耕を司る宇迦之御魂神（うかのみたまのかみ）を祀ったものだと言われています。
旧暦の二月は田畑を耕し始める時期であり、五穀豊穣を祈願しました。
伏見稲荷大社の舟橋雅美（ふなはしまさみ）宮司（ぐうじ）は、「神様と自然と人が共生する社叢（しゃそう）・稲荷山を大切にし、次の世代へと伝えていく使命がある」と話しています。
春に向かう中で、雪解けの水が田畑を潤していきます。
季節の移ろいとともに、自然への感謝の気持ちを深めていきたいものです。今日の心がけ◆自然の恵みを感じましょう
職場の教養 2025年2月号
感想例①
「稲荷」が「イネナリ」に由来しているって聞いて、そうか、昔の人たちは本当に毎日の暮らしと自然が密接だったんだなって思いました。
私も忙しい日々の中で、「自然への感謝」なんて普段あまり意識しないけど、ちょっと歩いて季節を感じたりするだけで、心が穏やかになることがあります。
あと、「次の世代へ伝える使命」って言葉にハッとしました。
先輩が私に教えてくれたように、私も後輩にちゃんと伝えていかないとなぁ、と思います。
それに、忙しいときほど感謝を口にするだけで、チーム全体がスムーズに動くことってありますよね。
結局、人と人、そして自然とつながることで自分が生かされてるんだって気づけた気がします。
感想例②
伏見稲荷みたいに有名な場所は参拝者も多いけど、地元の小さな神社はどうなんだろう？お祭りを続けられる人手やお金は足りているのかな、とか思ってしまいました。
それに、「自然への感謝」って言葉もいいけど、正直、自分の生活とどう結びつけたらいいのかピンと来ない部分もあります。
「五穀豊穣を祈る」と聞いても、スーパーで何でも手に入る時代だし、農業に直接関わったこともないので、その感覚が抜け落ちているのを感じます。
それでも、何か伝統や自然に感謝する習慣を持つことで、自分の生活にもっと深みを持たせられるのかな、と考えさせられました。
若い世代がこうした行事に参加するには、伝統だけでなく、現代的な楽しさや価値を加える工夫も必要だと思います。
感想例③
最近、仕事やプライベートで毎日バタバタしてると、「自然への感謝」なんて全くできていないなと思います。
「自分が何に支えられてるか」を考える余裕がなかったな、って反省しました。
でも、都会に住んでると自然を感じる瞬間が少ないけど、たまに公園で深呼吸すると、それだけで気持ちがリセットされるんですよね。
そう考えると、福参りみたいに「ちょっと祈りを捧げて立ち止まる行事」って、現代人にはむしろ必要なんじゃないかなと思いました。
次の休みには少し遠出して神社に行ってみようかなって思いました。
