職場の教養|雛祭り
雛祭り
明日は雛祭りです。
年中行事の中でも特に大切だとされる五節句の二番目にあたる「上巳(じょうし)の節句」ともいわれ、雛人形を飾り女の子の健やかな成長を願います。
また、旧暦の三月三日頃は、ちょうど春が訪れて桃の花が咲く季節のため「桃の節句」とも呼ばれ、馴染みの深いものとなっています。
雛祭りの起源は諸説ありますが、中国ではこの日に水辺で身を清める「上巳節(じょうしせつ)」という行事があり、これが平安時代に日本に伝わり、貴族の女の子が人形で遊ぶ「ひいな遊び」が合わさって雛祭りの原型ができたとされています。
古くから日本では、人の形を模して作った「ひとがた」で自分の身体をなでて厄を移し、水に流していました。
今でも一部の地域には「流し雛」の風習として残っており、この「ひとがた」が雛人形の始まりという説もあります。
現代でも、雛人形を愛で、鑑賞する家も多いでしょう。
子供が健やかに育ってほしいと思う心は時代を経ても変わりません。
子供の成長を願い、その思いが子供から孫へと受け継がれる雛祭りの歴史に思いを馳せたいものです。
今日の心がけ◆親子の絆を深めましょう
職場の教養 2025年3月号
感想例①
雛祭りといえば、子供の頃に家で雛人形を飾ったり、ちらしずしを食べたりしたことを思い出します。
正直、当時は「なんでこの日だけ特別なご飯なんだろう?」くらいにしか思っていませんでしたが、今回改めて雛祭りの由来を知ると、親が「子供の成長を願う」気持ちが込められていたんだなと感じました。
特に印象的だったのは、「ひとがた」に厄を移して水に流すという風習です。こうした習慣は、現代でも厄払いのお守りやパワースポット巡りといった形で続いているように思います。
私たちも、無意識のうちに「悪いものを遠ざけたい」「良いことが起こってほしい」と願いながら生活しているのかもしれません。
雛祭りには「大切なものを次の世代に残していく」意識があるんだと感じました。
ただ行事をこなすのではなく、その意味を知りながら過ごすと、もっと豊かな時間になるかもしれないと思いました。
感想例②
雛祭りの由来を知ると、改めて日本の伝統の奥深さを感じる一方で、現代ではその意義がどれほど伝わっているのだろう?という疑問も浮かびました。
今の時代、雛人形を飾る家はどれくらいあるのでしょうか?大きな雛飾りを置くスペースがなかったり、「飾るのも片付けるのも大変だから」と省略する家庭も多そうですよね。
また「女の子の成長を祝う」という点も、時代に合っているのか考えさせられます。
今は境界が曖昧になりつつあるので、「男の子は端午の節句」「女の子は雛祭り」と区別すること自体が、現代の価値観と少しずれているのでは?とも感じました。
なかなか伝統的に行事をおこなうことはできないですが、だからこそ「今の時代に合った形で行事を楽しむ」ことが大切なのかもしれません。
小さな人形を飾ったり、子供と一緒にちらしずしを作ったりするだけでも、伝統を感じることはできると思うので、「なぜやるのか」を知り、それを子供と共有してみようかなと思います。
感想例③
雛祭りのルーツを読んで、「人形には厄を払う力がある」という考え方が興味深いなと思いました。
災いを避けるために人形に厄を移し、水に流していたそうですが、今でも「お守り」や「開運グッズ」を持つ文化は変わらず残っていますよね。
スマホの待ち受けも、縁起がいいとされる画像がたびたびバズったりしてますし、何かしら「良い気をもらいたい」と思う気持ちは昔と変わらないのかもしれないと思いました。
また、雛人形は親から子へと願いを込めて受け継がれるものですが、私たちも仕事や人間関係の中で、何かしら「大切なもの」を次の世代に渡しているのかもしれません。
知識だったり、経験だったり、時には単なる「気持ち」だったり。
形が変わっても、「何かを託す」という行為は時代を超えて受け継がれていくのだなと感じました。
そんなふうに考えると、伝統行事を引き継ぐのは難しくても、そこに込められた想いを、自分なりの形で受け取っていくことが大切なのかもしれないと思いました。